建築と省エネ

2025年4月より、省エネ基準がほぼ全ての建物において義務化されることが決まっている。

これは一般住宅も例に漏れずということで、2025年には断熱等級4が必須となり、国の指針では2030年には等級5を義務化としたいところのようだ。等級5というのはいわゆるZEH水準であり、等級4と比較するとやはり断熱材、サッシの性能をワンランク、ツーランク上げていかないと達成できないかな~。窓の数や大きさ、建物形状にもよりますが。

高性能な断熱材を大量に貼り付けて高断熱住宅完成!みたいな世の中ですが、軒を深くしようだとか、小屋裏空間の容積を増やそうとか、どの方角に向けてどのような窓を作ろうとか、そういったところから建築的解決を図るのが本来の省エネの入口であって、軒も無く、南向き大開口(敷地条件によってはたまに西向き大開口なども見かけますが)、直射日光ガンガンでも高性能サッシと断熱材で大丈夫!みたいなのってどうなのと思ってしまいます。法律だから仕方ないのと、サッシ性能や断熱材ももちろん重要ではあるんですが。※断熱性能が高いこと自体はいいことです、計画を蔑ろにしても、とにかく断熱性能の高い建材でカバーできるよねみたいな風潮がどうなのという意味です

お寺をイメージしてもらうとなんとなくわかりやすいかと思いますが、大きな屋根に深い軒、これだけでも内部空間の環境はずいぶん安定します。太陽光の直接的な影響を抑えるのと、小屋裏空間が断熱層として働いているためです。そんなことを考えていたら、昔の家って縁側がある家が多いですが、もしかして縁側って木製サッシや外壁の断熱性能の低さを補うための断熱層だったのではないかなどと妄想してしまいました。

これからは法律的にも社会的にも断熱性能、省エネ性能の意識はさらに高まっていくでしょうが、建材の性能頼りではなく、まずは建築的配慮を意識した設計を忘れず邁進していきたいものです。

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